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限りの月
第9章 記憶の欠片
「…たん、かーたん!」

美織はハッと目を覚ました。

(え…ここは…)

「かーたん、どぉしたの? どこかいたいの?」
「え…?」

凛音が心配そうに、美織の顔を覗きこんでいる。

「あ…夢…」

美織はベッドに横になっていた。
そういえばあれから凛音を迎えにいって、疲れて凛音と一緒に眠ってしまったのだ。

「ごめんね、大丈夫だよ」
「かーたん、ないてるよ?」
「え?」

美織は自分の目尻に手を添えた。


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