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限りの月
第9章 記憶の欠片
「あ…」

雫が指を濡らす。

(本当だ…私、どうして泣いてるの…)

美織はさっき見た夢を思い出した。

(あれは…紫音、だった…)

なんだかすごく哀しかった。
哀しくて、苦しくて…
愛しくて…

(夢?現実?)

わからない…
でも何か大切なことを、
忘れてるような気がする…



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