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限りの月
第11章 二人の関係
「どうしよう……今すぐ帰らないとっ……」
美織は起き上がって、紫苑の背中を見つめた。
「……あんたに無理やりそんなことする夫のもとに早く帰りたい?」
「……えっ……」
「こっちの世界の城戸と、あんたの世界の城戸は違うかもしれないけどさ……。城戸はあんたが思うほど優しい人間じゃない。関わってはいけない人間だ」
「!」
紫苑の意外な言葉から、二人がどんな関係なのかますます気になった。
「あの……あなたは哲さんとどういう関係なんですか?」
「……元は小学生からの親友だった。でも何度も裏切られてからは会っていない」
「!」
「あいつは本当に……人を不幸にする奴なんだ。縁を切ってからも、ロクな噂は聞かなかった。でも三年前、あいつが忽然と姿を消した噂を耳にした」
(三年前といえば、ちょうど凜音が生まれた年だ。私は3ヶ月くらい実家にいて、哲さんも仕事が忙しくてすれ違いが多かったけど……)
美織は起き上がって、紫苑の背中を見つめた。
「……あんたに無理やりそんなことする夫のもとに早く帰りたい?」
「……えっ……」
「こっちの世界の城戸と、あんたの世界の城戸は違うかもしれないけどさ……。城戸はあんたが思うほど優しい人間じゃない。関わってはいけない人間だ」
「!」
紫苑の意外な言葉から、二人がどんな関係なのかますます気になった。
「あの……あなたは哲さんとどういう関係なんですか?」
「……元は小学生からの親友だった。でも何度も裏切られてからは会っていない」
「!」
「あいつは本当に……人を不幸にする奴なんだ。縁を切ってからも、ロクな噂は聞かなかった。でも三年前、あいつが忽然と姿を消した噂を耳にした」
(三年前といえば、ちょうど凜音が生まれた年だ。私は3ヶ月くらい実家にいて、哲さんも仕事が忙しくてすれ違いが多かったけど……)