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限りの月
第11章 二人の関係
紫苑は驚いた顔をして振り返ったが、「わかった」と言って車を走らせた。
そして着いた先は、紫苑が住んでいるマンションだった。

「今日はオレは実家で寝るから」

「そんなっ……」

「ベッド一つしかないけど、いいの?」

「えっ……」

「ウソウソ、冗談。オレは人のものには手を出さないから安心して」

ふっと紫苑が微笑んだ。

(あっ……。笑い方も向こうの世界の紫苑と似てる……)

「ご迷惑かけてごめんなさい……」

「大丈夫。実家はすぐ近くだから、何かあったら連絡して」

紫苑は美織に自分の携帯番号を教えると少し考えて、

「ちなみにそれ……自分で外せるのか?」

美織の下半身に目線を落とした。

「あっ……、う、うん……」

(外したことないけど、さすがにそこまで迷惑はかけられない……。というか、下着もつけてないし、見られるのは恥ずかしい……)

「心配なら、外そうか?」

「えっ……」



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