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限りの月
第11章 二人の関係
美織はドキッとした。
もしそんなことを頼んだら、紫苑も自分に触れてくれるんじゃないかって期待してしまう。

「だ、大丈夫です。自分でできるので……」

美織は慌てて断った。
ここは甘えちゃいけない、なにがなんでも断らなきゃいけないところだ。

それに紫苑はただ心配して言ってくれただけ、勘違いしちゃいけない。

「……わかった。じゃあ、風呂も洗濯も好きに使ってくれていいから。お腹が空いたらキッチンで勝手に作っていい。ただ、外出するのだけはやめてほしい」

美織は紫苑の顔を見上げた。

「バッタリ、こっちの世界の自分と会うかもしれないからな」

「あっ……」

美織は思い出した。
初めてこっちの世界に来た時に、自分とそっくりの自分を見た時のことを……。

「一応暗黙のルールがあるみたいなんだ。並行世界の自分と関わってはいけないというルールがさ」

「!」




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