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限りの月
第5章 恐怖
心臓の音が徐々に早くなる。
公衆電話を見つけると、震えた手で哲の電話番号を押した。
『…ツーツー…』
が、何度かけても繋がらない。
「どうして繋がらないの!?」
ガシャンッと受話器を荒々しく置くと、美織はその場にうずくまった。
わけがわからなくて泣きそうになる。
「だめ、しっかりしなきゃ…凛音、探さなきゃ…」
美織は涙をぐっとこらえ、哲と凛音が行きそうな場所に歩き出した。
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