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喘ぐなら、彼の腕の中で
第9章 胃薬と酔い止め

─── それから
お互い無言のままテラス席を後にした。
莉央は黙って会計をしている。
……結局、私の願いは伝わらないのかな。
莉央を覆う壁はあまりにも厚すぎて、どうやって中に入れるのか分からない。
それとも
莉央本人が言った通り、本当に今の現状で満足しているのかな……
「沙月」
駐車場に停めた車に進み、助手席のドアに手をかけた時
後ろから莉央に呼ばれる。
「……!」
振り返った途端、肩をぐっと引き寄せられて
莉央と唇が重なった。
「……ん…っ」
車に背中を押しつけられて、その強さで全身に衝撃が走る。
突然の激しいキスに、頭がクラクラしてしまう。
……莉央
どうして……?
カフェの駐車場は暗くて、表情が見えない。

