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喘ぐなら、彼の腕の中で
第10章 一発KO

「り……み、宮本さん……」


あんた後輩くんと外出するんじゃなかったの!?
ってまだお昼か。

でも、なんでまたここに!?
ってタバコ吸いにきてるのよね。


突然現れた莉央に驚きすぎて、自問自答を繰り返す。

莉央が向かいあう形で前のベンチに座ったから、私は慌てて亜美の耳元で囁く。


「ほら!
宮本さんは芹澤さんと同期だし、バレたら迷惑が…」

「宮本さんっ!
涙する男がいるって、どーゆー意味ですか!?♪」


って、オイ!!
そっち!?

それよりも、芹澤さんの為に弁解する方が先でしょうが!!


「そりゃ、総務課で1番可愛い亜美ちゃんが彼氏持ちって知ったら
狙ってた男は悔しがるだろうなって話」

「え~~~♡やだぁ♡」


ゾ、ゾワゾワ~~!
全身に鳥肌が立つ。

亜美もそうだけど莉央……あんた一体……

1人でキャッキャと嬉しがる亜美を見て、足を組んだ莉央が微笑んだ。


「……!」


………いや、違う。

笑顔の彼の全身から、凄まじく恐ろしいオーラが滲みでてる。

あ、亜美………

あんた気付かないの?

この男……今すっごい機嫌悪いよ?


「亜美ちゃん」


亜美のお喋りがまた再開しようとした時
莉央が静かに口を開いた。


「そんなに頑張って幸せアピールしなくても
沙月は芹澤に興味無いから、大丈夫だよ」



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