この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喘ぐなら、彼の腕の中で
第10章 一発KO

「り……み、宮本さん……」
あんた後輩くんと外出するんじゃなかったの!?
ってまだお昼か。
でも、なんでまたここに!?
ってタバコ吸いにきてるのよね。
突然現れた莉央に驚きすぎて、自問自答を繰り返す。
莉央が向かいあう形で前のベンチに座ったから、私は慌てて亜美の耳元で囁く。
「ほら!
宮本さんは芹澤さんと同期だし、バレたら迷惑が…」
「宮本さんっ!
涙する男がいるって、どーゆー意味ですか!?♪」
って、オイ!!
そっち!?
それよりも、芹澤さんの為に弁解する方が先でしょうが!!
「そりゃ、総務課で1番可愛い亜美ちゃんが彼氏持ちって知ったら
狙ってた男は悔しがるだろうなって話」
「え~~~♡やだぁ♡」
ゾ、ゾワゾワ~~!
全身に鳥肌が立つ。
亜美もそうだけど莉央……あんた一体……
1人でキャッキャと嬉しがる亜美を見て、足を組んだ莉央が微笑んだ。
「……!」
………いや、違う。
笑顔の彼の全身から、凄まじく恐ろしいオーラが滲みでてる。
あ、亜美………
あんた気付かないの?
この男……今すっごい機嫌悪いよ?
「亜美ちゃん」
亜美のお喋りがまた再開しようとした時
莉央が静かに口を開いた。
「そんなに頑張って幸せアピールしなくても
沙月は芹澤に興味無いから、大丈夫だよ」

