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喘ぐなら、彼の腕の中で
第11章 忘れられない日

「あー……やっぱり落ち着く」
パンプスを脱ぎ捨てて裸足になって、砂浜の上に腰を下ろした。
午後の4時を過ぎたところ。
目の前に広がる海面が、夕陽でキラキラ光って凄くキレイ。
サーフィンをしてる人の姿もちらほら見える、この光景も昔から変わらないなぁ。
心地良い潮風を感じながら、私は1人、波の動きをぼーっと眺めた。
─── 莉央が好き。
屋上でそう確信したあの日から、1週間が経った。
その間、莉央とは体を重ねていない。
初恋のように胸がドキドキして、莉央を見るだけで気持ちが溢れてくるから
社内ですれ違っても、すっごいワザとらしく避けてしまう。
常にパーテーションの後ろに意識を向けてしまうから、当然目が合う機会も増えるわけで
だけど顔が赤いのがバレたくないので、思いっきり逸らしてしまう。
「・・・私って……」
自分の気持ちに気付いた途端、あからさまに変わったこの態度。
余裕の無さに笑える。

