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喘ぐなら、彼の腕の中で
第11章 忘れられない日


あまりグチグチ悩まない私でも、つまづいたり落ち込んだりした時は、こうして地元に帰ってくる。

そしてただ1人、砂浜に座って海を眺めるんだ。

よくあるベタなシチュエーションだけど、やっぱり広大な景色を見てると落ち着くんだよね。


「……どうしたもんかな」


足の指ギリギリまでくる波を見つめながら、溜息をついた。

私の不自然な態度によって、莉央の機嫌がどんどん悪くなっている。

すっごい怖い目するんだもんな~

まぁ、あれだけ避けてたら当たり前か。

何も聞いてこないし、必要以上に踏みこんで来ないところもまた莉央らしい。

だけど、微妙な空気が流れる今の状況が良くないことは分かってるし
自分の気持ちも誤魔化せないから、このまま体だけの関係を続けられないのも明白だ。


……だけど

何よりも明らかなのは……


“ 特定の女を作らないってことを、同意した女だけ相手にしてる ”

“ 俺は満足してるんだ。お前に理解を求めてない ”


・・・無理じゃん。

私が気持ちを伝えた所で、結果は目に見えている。

どんなに好きでも、この想いはこれからも一方通行ってことか……



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