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喘ぐなら、彼の腕の中で
第11章 忘れられない日

「ま、とはいっても実は全部勘だけど♪」
「……翔ちゃん…」
「俺の周りそんな奴らばっかりだな。
どいつもこいつも不器用すぎるんだよ」
白い歯を見せて笑う翔ちゃん。
明るくて陽気で、人を惹きつける何かを持っている。
それだけじゃなくて、落ち着いた一面も兼ね備えているなんて
次男ってこんなに冷静な判断ができるんだな……
私がその笑顔に見惚れていると、翔ちゃんは再び口を開いた。
「……やっぱり沙月だったな」
翔ちゃんは夕陽から私に目線を移して、優しい声で続けた。
「沙月。あいつの仮面剥がしてやってよ。
歪んだ心、治療してやって」
「……!」
「沙月が出来る範囲で構わないから」
莉央と同じ深い瞳で見つめてきて、翔ちゃんは微笑んだ。
「頼むね、俺の初恋の人♡
俺、莉央のことが可愛くて仕方ないんだ」

