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喘ぐなら、彼の腕の中で
第15章 あと、もう少し


芹澤さんはテーブルから立ち上がると
私を一切見ずに、そそくさと扉へと向かっていく。


ちょ、ちょっと待って。
逃げる気!?

なぜか莉央は冷静だけど、私の怒りが治まらない。
私はもういいけど、せめて莉央には一言謝りなさいよ!


「……っ 芹澤さ…」


扉に手をかけた芹澤さんを引き留めようとした時


「おい、忘れ物だ」


私の横を莉央がすり抜けると
芹澤さんの肩をぐっと掴んで振り向かせた。


「 莉央…!?」
「……!!」


次の瞬間


……ゴフ………ッ!!!


「~~~~!!!」


ひーーーー!!
やっぱり怒ってんじゃん!!

莉央の右膝が、芹澤さんの股間に思いっきりヒットして
鈍い音と共に、芹澤さんが扉の前でうずくまった。

目の前で炸裂した一瞬の出来事にフリーズする。


……い、痛っ……!!
痛い…よね?

私は女だから分からないけど
そこを蹴られると激痛なんですよね!?

せ、芹澤さん涙目………!!



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