この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喘ぐなら、彼の腕の中で
第15章 あと、もう少し

「……っ」
莉央は少し離れた私に目を向けると、ふっと笑った。
………その笑顔が余りにも優しくて
私はなんだか泣きたくなってきてしまう。
「芹澤。
青山店の什器に引き続き、部外者の俺が口出して悪いけど
これ以上沙月に嫌がらせするなよ」
「………!」
………莉央?
屋上で亜美に忠告してくれた時とは違う。
威圧感は凄まじいけど、莉央から怒りのオーラを感じない。
あくまでも、芹澤さんを諭すような穏やかな口調。
「こいつは変な所強いし、お前みたいにネチネチしないから
これだけ啖呵切った後でも、仕事はちゃんとしてくれるよ。
なぁ?」
莉央が同意を求めてきたけど、私はそれどころじゃない。
……き、聞かれた。
全部聞かれてしまった……!!
「早く席に戻れよ。
田部が不審がってるぞ」
「……宮本……」
「俺はこの女を慰めてから行くから。
適当に理由つけて、遅れるって双方に伝えとけ」
「………!!」

