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喘ぐなら、彼の腕の中で
第15章 あと、もう少し


「あの女ほどじゃないけど、芹澤も昔から何考えてるかよく分かんねぇ男なんだよ。
どこにでもバカはいるさ」

「……でも。
仕事してる時は、普通に尊敬できる人なのに…」

「そこだけ唯一の救いだろうな。
だから今まで、仕事上だけのパートナーなら問題ねぇと思っ…」


………!

そこまで言いかけた莉央が、自ら止まった。


「……っ///」


急激に心拍数が上がって、じっとその瞳を見つめると
莉央はバツが悪そうに視線を逸らした。


……ま、待って
い、今の言葉………

……その続き、聞いてもいい……?


「仕事の関係だけじゃないって知ったから……
気になってくれたの?」

「………」

「今までずっと私に触れなかったのに、急に距離を縮めたのは
芹澤さんと私が付き合うのは嫌って、思ってくれたから……?」


ドキドキが止まらなくて、夢中になって聞いてしまった。

莉央が私に触れたのは、芹澤さんの話をBARで暴露した次の日だ。


……もし、そうなら……


「……!」


莉央の右手が、私の頬を包み込む。

反対の手は、床に座り込む私の後ろの本棚に伸ばして


「……莉…」


そのまま莉央の顔が近付いてきて

静かに唇が重なった。




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