この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喘ぐなら、彼の腕の中で
第15章 あと、もう少し

「……っ」
莉央が小さく言ったその一言で、どうしようもなく胸が高鳴る。
だって……それはもう……
「……莉央。
それは私のことが、好きってことじゃない……?」
あ……少し声震えちゃった。
だって、こんな莉央を見るのが初めてで
莉央の言葉が嬉しすぎて
ちげーよバカって言われそうだけど
嬉しくて泣きそうで、つい聞いちゃったんだ。
「………」
少しの間沈黙していた莉央が、私の肩に手を添えて
そのまま2人で立ち上がる。
そして、その両手が………
「沙月。
マジで分からないんだ」
「……!」
「だけど、この手。
……どうにかしてくれよ」
背中に回された莉央の手が
触れるか触れないかくらいの距離で、私を包み込んだ。

