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喘ぐなら、彼の腕の中で
第15章 あと、もう少し

「……別に、優しくしなくてもいいよ?」
「黙れ。急に上から目線になるな」
「だって、他の女なんか抱いてほしくない」
「調子に乗るなアホ」
~~~!!
腹立つわ~~~!!
なんだってまたこんな会話になっちゃうかな!
私、この男を本当に好きなんだろうか。
1人でプリプリしながら本棚の方に振り返って、照明のカタログを取り出す。
そうだ、そもそもコレを莉央に渡す為に………
「……沙月」
「なによ」
「大事なんだよ」
「なにが?」
「お前が」
………!!
えぇ!?
な、なんて言った……?
莉央は、放心する私の手からカタログを受け取った。
「だから今日は駄目だ。
きっと、欲望が暴れて抑えらんねぇ」
「………っ
それでも、他の女の所に行くなんて……」
私が言いかけると
莉央はふっと優しい笑顔を浮かべた。
「歪んでるんだろ?
だから、ちゃんと清算して向き合えるまで
………毒を完全に抜くまで、もう少し待ってて」

