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喘ぐなら、彼の腕の中で
第15章 あと、もう少し


はぁぁぁぁ!?
なにそれ!!

頭に血が昇ってバッと立ち上がった。


「ありえない! その先約断って!」
「無理」
「なんでよ!」
「今日の女はドMで、何をしても快感に変えられる奴だから」


なぁ~~~に~~~!?

私より他の女を優先する、その理由の意味がわからん!
つーかこの男、10分前私にキスした奴とほんとに同一人物なの!?


「ドMだからなんだっつーのよ!」
「ちょうど都合いいって話」
「はぁ? 意味不…」
「今日は優しくできそうにないから」
「……え!?」


その言葉でピタッと止まると
莉央は扉に手をかけて、振り向かないまま呟いた。


「……このまま沙月を抱いたら
なんか壊しちまいそうな気がする」

「………!」


…………っ

胸の高鳴りが、再び波のように押し寄せる。


……えらく矛盾してる気もするけど

この男の一言一言に、いちいちキュンとしてしまう。




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