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喘ぐなら、彼の腕の中で
第16章 先手必勝


「……清算が終わるまで、時間が欲しいと言われましたが
私の時計は既に狂っていて、今すぐ莉央が欲しいんです」

「〜〜ブッ!!」


莉央が飲みかけたお茶を器官に詰まらせる。

意味不明な私の例えに、おばさんと翔ちゃんの口がぽかんと開いた。


「ですので、こうして莉央にとって大切な家族の皆様に
直接許可を頂きに参りました」


毒を以て毒を制す。

虎穴に入らずんば虎子を得ず。

どちらもちょっと違う気もするけど

つまり私は莉央が好き。



「おばさま! いえ、お母様!!」

「………!!」




私は正面に座るおばさんに、ガバッと頭を下げた。




「息子さんを私にください!!」






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