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喘ぐなら、彼の腕の中で
第16章 先手必勝


「親密~~?♡」


おばさんはぱぁっと顔を輝かせて、私と莉央を交互に見つめた。

よ、よしイイ感じ……!


「ってことはもしかして2人は……♡」

「いや違うから。
お前さっきから何1人で暴走し…」

「はい、そこは莉央の言う通り違うんです」


はぁ!?と言う莉央を横目に、私はガタッと椅子から立ち上がった。

突然の起立に、おばさんと莉央が私に注目する中

翔ちゃんだけは口元を押さえてぷるぷると体を揺らしている。


………笑いごとじゃないよ、翔ちゃん。

こんな少量のアルコールじゃ、自棄になったふりもできない。


でも、いいんだ。
私は真剣そのものだから。


「なになに沙月ちゃん♡
違うってことは、2人は付き合ってるわけじゃないの?」


おばさんがウキウキした様子で、テーブルに肘をついて私を見上げる。


……さぁ、私。

勇気を出して言ってしまえ!!




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