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喘ぐなら、彼の腕の中で
第3章 不変と豹変

上体を起こした莉央が、私の両足を広げた。
「じゃあ教えてやるよ」
………抵抗せずに、素直に開脚してしまったのは
莉央の目が、さっきとは比べ物にならない程深い色に変わったから。
捕えられた獲物のように、私はその瞳から目が離せない。
「まずは狂うほど好きな男がいること。
これはSEXする相手じゃなくてもいい」
チラッと隣りの部屋を見た莉央。
ドクンと心臓が鳴る。
「次に、羞恥心と危機感を味わえるシチュエーションであること。
嫌がるギリギリを作りたいって言ったのは、これが理由」
私はもう、言葉が出てこない。
「……そして最後に
SEXする相手が、女を感じさせるテクニックを兼ね備えていること」
………この男は、誰……?
「条件は揃ったな」
「……っ」
「壁の向こうの芹澤を存分に感じることで、お前は今から極上の快感を手に入れることができる。
……寂しさを、忘れられるよ」
緩めたネクタイを外して、不気味な笑みを浮かべて
知らない表情をした莉央が、私を見下ろした。
「沙月。
俺は、お前の “ 心 ” なんていらない」
「………!」
「欲しいのは
お前の悦ぶ顔と、体だけだ」

