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喘ぐなら、彼の腕の中で
第19章 心を繋げて


莉央はふっと笑うと、私の髪を撫でた。


「やっと素直になったな。
いいこいいこ」

「………っ」


そのまま莉央の体が覆いかぶさった………

その時


RRRRRRRR……


「………!」


ベッドの端に脱ぎ捨てた服の中から、携帯の着信音が鳴り出した。

私のじゃないから、莉央の方だ。


「………」


莉央は手を伸ばして、デニムのポケットから携帯を取り出す。

当然、そのまま切るか留守電に切り替えるとかと思いきや……


「はい」

「~~~!?」


~~~出るのかよ!!

この状態で!
信じられない!!


莉央は上半身を起こすと、私を見下ろしたまま電話の相手の話を聞いている。

私は唖然としながらも、咄嗟に横にあるタオルケットを手繰り寄せた。


「……そっか、分かった。
そう決めたなら、きっとうまくいくから心配するな」


……何を心配するなって?

莉央が耳に押し付ける電話口から、明らかに女の声がする。

よりによって、してる最中に他の女と電話するってありえないんですけど……!


「大丈夫。
いつかきっと、幸せしてくれる相手が現れるよ」

「……!」

「焦らずに、決めた道を誇りを持って進めばいい」




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