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喘ぐなら、彼の腕の中で
第19章 心を繋げて

……何の話……?
莉央は私の頬を撫でながら、電話の相手に向かって穏やかな声で続ける。
「あぁ、じゃあな。
楽しかったよ」
「……!」
「え? 俺?
あー、俺は……」
電話を切る間際、相手に何かを聞かれたようで
莉央は少しだけ沈黙した後、私を見て優しく笑った。
「……俺はもう見つけた。
だからいいタイミングだったよ。
今、目の前にいる」
「………!!」
「大事な宝物。
やっと心を繋げる相手に出逢えた」
……莉央……?
急激に心臓が鳴り響く中、一言二言話してから莉央は電話を切った。
タオルケットを外されて、そのまま優しく抱きしめられる。
「………っ 今のって……」
「あぁ、解毒だよ」
「……解毒!?」
突然何でその話!?
首を傾げる私に、莉央は続ける。
「相手が俺と関係を止める時は、前に進もうと何かを決意した時だ。
だから、背中を押してやるんだよ」
「………!」
「割り切ってる関係とはいえ
どの相手にも、いつかは俺を忘れて幸せになってほしい。
……それだけは、いつも本気で願っていたから」

