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喘ぐなら、彼の腕の中で
第23章 ★極上彼氏

『明日、延期になったから』
「………」
『おい、聞いてんのか?』
氷枕をおでこから外して、携帯を耳にあてながらゆっくりと体を起こす。
倒れるようにベッドに潜り込んでから、4時間くらい寝てたんだな……
割れるようにガンガン鳴り響いていた頭痛は、大分治まっている。
「……莉央は行ってよ。
バースデーカード、渡してほしいの」
『延期って言っただろ』
「私だけキャンセルじゃダメ?」
『みんなお前に会いたかったんだよ』
「………っ」
『沙月が元気になったら、改めてやろうって。
満場一致』
~~~~私のバカ!
バカバカバカバカ大馬鹿者!!
悲しくて悲しくて、ガバッと布団に突っ伏した。
その音を聞いて、電話の向こうで莉央が溜息をつく。
『体調悪いんだから仕方ねぇだろ。
熱中症を甘く見るな』

