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水は低きに流れる
第1章 断われなくて
私達はラブホでの出来事に関しては何も触れることなく、ヒデさんに駐車場へ送ってもらって別れた。

ラブホの駐車場でミサちゃんが助手席に座ったのを見て、さっきまでの行為はすべて夢だったんじゃないかって思えたぐらいだ。

2人に見送られて私が自分の車に乗った。


「また、遊ぼうな」

「うん。あ、ミサちゃんの連絡先・・・」


バッグからスマホを取り出そうとすると


「あ、ごめん。私、携帯持ってないの」

「え?」


今どき?って驚いた。

小学生でも持ってる時代なのに?


「俺の番号は前と変わってるよ。こないだのだから登録し直しておいて」

「うん。もうしてるよ。んじゃ、また電話して」


そっか、ヒデさんの番号は前と変わってたんだ。

離婚した時にアドレスは全消去して、婚前の友達だけ連絡したからヒデさんの番号は残ってなかった。

こないだ連絡をもらった時にそのまま番号を登録しておいた。



「今度会うときは、本当にどっか行って遊ぼうな」

「まったくだよー」

「愛美ちゃん、今日はありがとうね。気をつけて帰ってね」

「うん、ありがとう」


お礼を言われることでもないし、なんかどうリアクションしていいのかわかんないから、ヘラッと笑っておいた。

手を振って車を発進させてバックミラーを見ると、2人がまだ手を振っていた。

2人の姿が見えなくなるとこまで、ずっと2人は見送ってくれていた。

4人じゃなくなったけど、今度は3人で前みたいに遊べるといいな・・・

そんな風に思った。


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