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水は低きに流れる
第2章 嫌がらなくて
『おかけになった電話番号は現在使われておりません・・・』



ピッ!

あれからヒデさんの携帯に何度電話しても繋がらなくなってた。


「はあ~~~~っ」
「大きな溜息ついて、どうした?」
「あ、岩崎(いわさき)さん」


バイトの休憩中に社員の岩崎芳樹(いわさき よしき)さんが声をかけてきた。

細い銀フレームのメガネに端正な顔立ちで背が高くて細身。

仕事も出来るし、上司も岩崎さんに対して年下なのに敬語で話すほど独特の雰囲気がある。

誰が見てもイケメンというのはこういう人のことなんだろうな。

誰に対しても人当りも良い。


「気にしてくださいオーラ出すつもりで溜息か?俺には効かないぞ」
「そんなんじゃないです」


ただし、私以外には、だ。


「おい、お前さ、今日じゃなくていいけど夜空いてる日あるか?」


なんでこんなに偉そうな物言いなんだろうか。

歳は2つくらいしか違わないはずなのに。


「明日ならいいですけど?」
「お前んち行く」
「は?何しに?」
「うちのハードディスクが壊れてるからに決まってんだろ、バカ。友達がライブDVD貸してくれたんだ」


バカって言うし。

岩崎さんちのデッキが壊れてDVDが見れないからって、なんで私んちで見る必要がある?

あからさまに嫌な顔をして岩崎さんを見る。


「なんだ、その顔は?」
「いえ・・・、なんでもないです」
「どうせお前も見るだろう?」
「・・・ええ、まあ」


岩崎さんの好きな音楽の趣味とか好みとか私と丸被りだけにはっきりお断り出来ないのが悲しいとこ。

ちょっとメジャーじゃない路線が好きという同じ趣味。

そこが気に入られてる理由かもしれない。

それに、この顔で押し切られると嫌と言えない。


「なら、いいな?」

「ええ、・・・まあ」


こうして押し切られて、晩御飯を食べに来たり、トイレを貸せだのと私のマンションへ突然やってきたことも何度かある。

岩崎さんに便利よく使われるなら、バイト先の近くにマンションを借りなきゃ良かった。

「じゃ、明日な」

決定なんだ…。

しばらくして休憩室の向こうから話声が聞こえてきた。


「お疲れさまー」
「あれ?岩崎さんも休憩?」

「いや、忘れ物取りに来ただけです」


あ、別人モードへ切り替わった。
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