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水は低きに流れる
第2章 嫌がらなくて
私がスマホをロッカーへ入れておこうと立ち上がった時


「ねぇねぇ、愛美ちゃん」


同じバイトの子が年下だけどタメ口だし友達みたいに話してくる。


「今日の帰りの当番さ、代わってくれない?私、用事あんだよね」
「・・・いいけど?」
「本当?ありがとう!」


別に当番を代わりにするくらい大したことでもないし、時間もそんなにかかるわけじゃないから引き受けることにしてる。

休憩室から出る時に「ラッキ~」って声がしたけど、いちいち気にするほどのことでもない。

先に出てた岩崎さんが廊下で追いつく。


「お前さ」


背の高い岩崎さんは私と並ぶと頭1個分高くて少し見上げなきゃ顔が見えない。



「嫌な時は断れよな」


さっきの当番の話かな?


「それ、岩崎さんが言います?」

「俺はいいの」


断われないの知ってて言うのは同じだと思うな。



私は肩を竦めて岩崎さんを追い越して足早に仕事へ戻った。



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