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第1章 プロローグ

「お嬢さん、待っていたよ！さあさあ、ここ座って！」



老婆の明るい皺くちゃなのにチャーミングで憎めない表情に私は惹かれるように老婆の側の椅子に座った。




「これから私の昔の男の話をするところだったのさ、お嬢さんは恋愛経験は豊富かい？」



「普通です。主人と二人の娘がいます」



「そうかい、そりゃ幸せだね」



クシャリと微笑む瞳の向こうは私の心中の全てを見抜いているかのようにも思えた。



なぜなら夫とは夫の浮気が原因で、もう家庭内離婚状態が三年経とうとしていた。



幸せではない。



いや、夫との事意外は幸せなのかもしれない・・・



「さて、話そうかね...」



ヘルパーの方も私の隣の椅子に腰掛けた。



彼女は私よりずっと若く少しふっくらとした可愛らしい人だった。


胸の名札には島村と記されていた。





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