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愛すバー
第5章 温泉饅頭
その足でラウンジを覗いてみたが光代さん達はいなかった。



廊下を挟んだ向かいの受付のカウンターに近寄り、奥にいる人に声をかけた。



「すみませ~ん」



「ああ、田辺さん、こんにちは」



「あの光代さんって方のお部屋どこですか?島村さんが担当してる女性なんですけど」



「ああ、赤松光代さんね。203号室ですよ~、なにか用事ですか?」



「ええ、お土産渡したくて、仲良くなったから」



私は温泉饅頭の入った紙袋をチラリと見せた。



「そうなんですね~、喜びますね」



「ええ、そうだと嬉しいわ、ありがとうございました」



わたしの足は軽やかに光代さんの部屋に向かった。



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