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覚醒
第4章 クレアの目醒
「私達夫婦は少し特殊な関係なんだよ。」初老の男性が話始めた。

「特殊って・・・?」クレアは聞いてみた。

女性が割って入ってきた。「ちょっと、大丈夫?」心配そうにクレアと初老の男性に言った。

クレアはわけがわからなかたが好奇心からか「はい。私は大丈夫ですけど・・」と言った。

そして初老の男性が続けて「大丈夫。僕は今幸せな人生を送って、終わりを迎えようとしている。君と過ごした時間が幸せだったことを誰かに伝えたい。聞いてくれる人がいれば・・」

「大丈夫です。ぜひ聞かせて下さい。」

「そう・・じゃ私がいると少し話づらいかもしれないから・・そっちにいますね。」と女性は席を立ちグラスを持ってカウンターの隅に移動した。

いつのまにか店の中はクレアと初老の夫婦の3人とバーテンダーだけになっていた。
初老の男性がおいしそうにカクテルを一口飲み、話を始めた。

「もう40年も前の話だが・・」

「私たち夫婦は結婚したのだが子供ができなかった・・私は仕事もうまくいかず、私たち夫婦は倦怠期とやらにぶつかったのかな?」

初老の男性が話を続けた。

「妻は今で言う鬱っぽくなって、少し暴力的になったんだ。私はね妻の実家が少しお金を持っていて、家をでるわけにもいかなかった。借金もあったし・・」

「ある日私が家に帰ると鍵が閉まっていた。私は裏手に回ると窓が少しだけ開いていて、
中を覗いたんだよ。」

初老の男性がため息を付きグラスのカクテルを飲み干し、バーテンダーにおかわりを頼んだ。クレアは黙ってその初老の男性の話を聞いた。

「窓から覗くと奥の部屋の明かりがついていて、奥で彼女が他の男性とね。真っ最中だったよ。私は驚いたね。まさかと思ったよ。でももっと驚いたことがあったんだ・・」

初老の男性はバーテンダーが出したカクテルをまた一口飲んだ。

「もっと驚くことって?」クレアは聞いた。

「そう、恥ずかし話ね、私は他の男に抱かれる妻を見て、興奮して終わりまで見ていたんだよ。それで気がついた時には私は私のここを・・」初老の男性は自分の股間を指さした。

「えっ?」クレアは驚いた。こんなに紳士的な男性が・・あんなに優しそうでご主人を愛していそうな女性が・・

女性はこちらの話しには気にせずバーテンダーと話をしていた。
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