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覚醒
第12章 脳内麻痺
私は恐怖と戦っていた。まさか殺される?
時間が刻刻と過ぎていく。
私の精神は壊れかけていたのか…

【誰か…助けて…】

もう声も出ない。私は目隠しをされすでに半日が過ぎていた。私には時間の感覚がなく、1時間なのか、1日なのかもわからない。

「うっ…」

私は失禁してしまった…

しばらくして誰かが部屋に入って来た。
私に近づいて来る…

私の前で止まった。

「誰?クレア?」

私は振り絞るように声を出した。しかし返事はない。
チクッ・・・左腕に何か刺された。私は意識がなくなった・・・

「山下さん・・山下さん・・」
頭が・・痛い・・私は微かに意識があるようだ。
しかし体は動かない。

私は裸でクレアに抱かれていた。
「気がついたようね?よかった・・」
「私はあなたを助けたいの・・」

「大丈夫・・私がいれば大丈夫・・」
私は安心してか泣いていた・・子供のように泣きじゃくり・・声を出して泣いていた。

「じゃあ、もう少し寝んねしましょうね・・」
また、左腕が・・遠のく意識の中クレアの声がする。
「私が助けてあげるから・・私はあなたのご主人様・・クレア様よ・・」

【クレア様が助けてくれる・・・】


私が行方不明になり1周間が過ぎていた。

妻は心当たりを探したが行方がわからなかった。
警察は家出じゃないかと言い探してはくれない。

村田も途方に暮れていた。
ビジネスパートーナーのクレアがいなくなり、アドバイザーの山下もいない。

「とにかく連絡があったらお互い連絡を取り合いましょう・・」


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