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ゆっくりと
第2章 訪問
「うわぁ…」
現在 A組の前に立つ敬堵
教室内では典型的な特待クラスといった光景だった
昼休みだというのに
誰もが参考書、教科書を広げて勉学に励んでいる
今まで居た自分のクラスを脳裏に思い浮かべ
あまりの違いに少し吹き出しそうになる
「何してんの」
「いっ!!!!???」
突然後ろから声を掛けられ
敬堵は飛び上がった
「…あ、何だ、びっくりした…檜垣君…(だっけ?)」
後ろに立っていたのは、無表情で無愛想な由だった
「あのさ、この前コレ(教科書)忘れてったから、届けに来た!」
ニカッと笑って敬堵は教科書を手渡す
由は相変わらず無表情なままそれを受け取る
「あぁ、うん。ありがとう」
「もしかして、木の下に戻って探したりしてた?」
「だったら余計な事したかな~」と苦笑して付け加えると
由は首を横に振った
「探してない…アンタが持って来んだろうなって思ってたから」