この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
吼える月
第29章 変現
・
・
・
・
「はぁ…っ、は…ぁううんっ、はぁ」
ユウナの喘ぎは、痛みと熱による苦しげなものから、次第に甘さを含む官能的なものになっていった。
痛みが薄れていくように思えるのは、サクが引き出してくる気持ちよさが、それに勝るほどに強いということ。どこでこうした技を身につけたのだろうか、思えば嫉妬の心が芽生えてくる。
元来の不器用さの欠片も見せない、サクの指と舌。ユウナの弱い部分をすぐに探り当てるが、その動きは実に優しい。
一方的に荒々しく動いて、ユウナを不安にさせることはなかった。
だがサクは、ユウナの意識をこちらに向けたいために、優しい動きをしている主とは思えぬほど、ユウナに対して意地悪に…焦らすように振る舞う。
「姫様……、どうして欲しいのか言わないのなら、やめちゃいますよ?」
サクのねっとりとした口淫により、胸の中心から…痛みを麻痺させるような甘い痺れが拡がり、そのざわざわとした官能のさざ波に揺られたユウナは、切なげな声を漏らした。
「姫様?」
蕾を唇で引っ張り、答えを催促するサクと目が合う。
可愛らしく首を傾げるその姿とはかけ離れて、直後にわざと伸ばされた舌での動きは、くねくねといやらしい。乳輪をなぞっては、蕾を舌先で揺らして、じれったい刺激をユウナに与えてくる。
蕾への刺激と連動するように、秘部がきゅうきゅうと疼き……蕩け出している。
ユウナの脳裏にリュカの声が蘇った。
――サクはどう思うだろうね。父親の敵に濡れてしまうお前のことを。