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吼える月
第29章 変現
「なんですか?」
すべてがわかっていながら、サクはあえてとぼけたように尋ねる。
「サク……」
涙混じりの、どこか甘さを含んだ声を聞き流して、サクは意地悪げにいう。
「言わなきゃ、なにもしません」
「……。……て……ぇ……」
細く消え入りそうな声がサクの耳に届く。
「ん? なにか言いました?」
上げたままの足の……内股にある邪痕にサクは吸い付き、指を邪痕のない股間の付け根に這わせる。
それだけでぞくぞくとしたものを感じたユウナは、思わず声を上げてしまう。
「ぁあ……ぅっ」
「おや、痛いんですか? ここですか? ここ?」
サクの指先は、下着の端……秘部の横すれすれのところを、尻の方に行ってまた戻ってと、静かにつつつと往復し始めた。
「は…ぅぅんっ、サ、ク……っ」
立てられたユウナの足が、刺激に耐えられずにふるふると震え出す。
「どうして貰いたいんですか?」
サクの何度目かの問いに、ユウナの絞り出すような声が響く。
「……触って……ぇぇ……」
羞恥混じりの"おねだり"に、もっていかれそうになってしまったサクは、心に喝をいれ、虚勢を張り……余裕あるところを見せた。
「姫様にさっきから触っているじゃないですか。こんな風に」
「違うの……そこじゃなく……」
涙が溜まったその目で、言葉に出さずともサクにわかって欲しいと訴えるが、サクは、そんな許しを与えない。
「どこですか?」
「サク……っ」
「どこ?」
「ふぇ……っ」
「泣いても駄目です。わからない俺に、教えて下さい」
「……し、下の方…っ」
「下? 足ですか?」
サクは足を持ち上げて、膝裏から尻の方まで、熱い舌を這わせた。