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吼える月
第29章 変現
「はぁぁあんっ、ちが……ぁぁんっ、違うそこじゃなく…っ!!」
「ん…姫様の肌は甘いですね……」
「サク……ねぇ、サク……っ!!」
サクは、ユウナの足に出来ていた最後の邪痕を鎮める。
やはり症状が軽いためか、全体的に邪痕の数は少なく、少し神気を入れたぐらいで、うっすらとなるくらい、神気の効果は抜群だ。
前回、ユウナは紫の瞳をして、痛みにもっと声を上げていたことをサクは思い出す。
今見るユウナは、黒い瞳に戻りつつある。
神気を何度か繰り返し入れれば、挿入をまたずとも鎮呪できるかもしれないと思ったが、完全に鎮まるまで、ユウナの身体には痛みを感じ続けねばならない。それに勝る快感を与え続けても、ユウナの体力が消耗してしまう危険性もあった。
サクは、果てることが許されないからというよりは、緊急性のない中で、愛がないのにユウナと結合したくはなかった。
ユウナの意志を無視しているのは、どうしても強姦と大差ないように思えるのだ。
今、意思を確認しても、快楽に流されつつあり…しかも朦朧としている中で尋ねるのは、無意味のように思えた。たとえユウナに自意識が僅かに残っているといえども、普通の状態ではないのだ。
だとしたら、焦らしながらユウナの意識を快楽に向けさせて、邪痕が完全に消えるまで、こうして誤魔化すように愛撫していくか。
だが、そう悠長なことを言ってられないことをサクは感じていた。
ユウナの状態もそうだが、ユウナの乱れる姿に煽られた、自身の状態も厳しいものだったからである。
自分の中に膨らむ欲を抑え続けなければ、鎮呪は成功しないのだ。
今はユウナの命の危険性は低い。
その中で、これは"治療"だと割り切って、滾る自身をユウナのナカに入れて終わらせるか、それても……自分の欲をひたすら抑え続けて、ユウナだけではなく自分をも焦らすようにしながら、ユウナから邪痕が完全に消えるのを待つか。
どちらにしても、果てることは許されていない。