この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
吼える月
第29章 変現
サクはユウナの頭上に唇を落とし、愛情と使命との間で煩悶とした表情を意志の力で払拭する。そして意地悪げな表情で、ユウナに問う。
「俺の足……なんだかにちゃにちゃと音がするんですが…、姫様……もしかして濡れちゃってるんですか?」
「……っ」
「まさか、リュカにも……濡らしてないですよね?」
それは、笑い話にするつもりの軽口だった。
だが、ユウナから否定の言葉がない。
「……姫様、もしかして……ここも触られたんですか?」
その反応が意外すぎて、思わず声音を変えてしまうサク。
「っ……」
その反応だけで、彼はわかった。
「……濡らした?」
ユウナの呼吸が、動揺しているように乱れる。
「……へぇ…。それでも、なにもされていない、と?」
サクの声音が硬質となってきているのがわかり、ユウナは慌てた。
「……っ。触られた……だけで……」
「へぇ……どんな風に?」
サクは、その指をユウナの秘部に這わせた。
「ひゃっ……」
直の感触に、ユウナは初めてそこで、自分の下着がないことに気づく。
「こうやって触られたんですか? それとも……」
サクは秘部の花弁を割り、指をくるくると回しながら、蜜壷の入り口を浅く吹き差しする。
「こうやって……挿れられたんですか?」
サクの冷ややかな声に、ユウナは震え上がった。
「違……っ」
「濡れたんですか?」
「……っ」
「どうやって触られて、濡らしたんですか!」
声を荒げるとサクは身体を起こし、ユウナの両足を大きく開きながら、ユウナの身体をふたつ折にする。
「や……サクっ」
秘部の有様を、至近距離でまじまじとサクに見られている――。
そう思っただけで、ユウナのそこはさざめき、蜜を零す。
怒りを含ませたような痛いくらいのサクの視線が、秘部に触れられているような錯覚をもたらしていくのだ。
「……んで、そこまでのことしてんだよ……」
嫉妬に苛立つ呟きが落とされたことも、ぼんやりとした意識のすべてが、羞恥に染まっているユウナは知らない。
ぎりぎりのところで、色々なものを堪えているサクの顔が、昏く翳っていることも。