この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第30章 予感
 

 表と裏――

 ふたつの思惑が同時進行して、廃れかけていた蒼陵国。

 子の無事を願う親の思いが、神獣を動かした。


 ユウナは知らない。


 ジウが密やかに、なにを託したのか。

 なぜサクの別れ際の"約束"に、言葉で返さなかったのか。


 そして青龍も同じく。

 「神獣の免罪方法」など、盟約に触れるものを、なぜ簡単にサクに教えたのか。



 ……なぜふたりは、ゲイの対抗手段となるサクに、シバと玄武をサクに託して蒼陵から出させたのか。ゲイがすぐ再来するだろうことを予期していて。

 それは本当に、玄武の救済だけを目的にするものなのか。



「イタ公ちゃん、さあ…すぐに元気になるからね」



 人と戯れることが好きな神獣。

 だがその神獣の異変は、同胞たる神獣しか感じ得ない。


 倭陵の他のふたつの神獣は、感じていた。



 目覚めたばかりの青龍の、命の危険性を。

 神獣が滅ぶなど、ありえない危機が起るのだと。



 そして――。

 四神獣の均衡が崩れたことで、起きえる最悪な事態の到来がもうまもなくであり、自分達もその危険に晒されるであろうことを感じ取り、神獣達は警戒に険しい目をして、大きく武者震いをした。




 ユウナも、サクも……

 この先に待ち受けるものを、まだ知らない。






【第二部 青龍編 完】  

 
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ