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吼える月
第30章 予感

~なかがき~
拙作「吼える月」をここまでご覧下さっている皆様。
閲覧だけではなく、レビュー&感想メッセ、拍手、ピックアップ…閲覧以外の応援も、本当に励みにさせて頂き、ようやく思っている全体としての半分くらいにきました。
ここで私がなにを思って書いていたのか、記したいと思います。
第一部「玄武編」
これはとにかくサクに降りかかる不幸(笑)をこれでもかというくらいに、矢継ぎ早に展開させたく。
そしてふたりが生きるためにたくさんの犠牲が出た章でもあり、リュカとゲイと同じ"光輝く者"をどう扱ってきたのか、遮煌を行ったハンの苦悩と、サラと共に愛する子供のために戦う親の姿を念頭におきました。
こちらの章では、サクがなにと先に契約していたのか、祠官がなぜ内側から解錠していたのか、そしてリュカの真意は明らかにしておりません。
第二部「青龍編」
これは状況に流されるような展開ではなく、恋愛に行動に意志を持って動き出すふたりの姿を書きたいと思いました。
そしてふたりが聞いた蒼陵の表側(ギルとシバら【海吾】の認識)と、裏側(ジウや蒼陵の祠官の思惑)を、オセロのようにひっくり返しながら、サクとユウナふたつの視点で展開する構成にし、戦いよりも言葉の駆け引きを多くした章でもあります。
ジウとシバの親子の関係は、ハンとサクの関係とは違い、子供を守るために突き放す親の姿を意識して書きました。
この章では、ゲイが一時撤退しただけで、危機はまだ残っています。ゲイが欲しがる青龍の鍵を、ジウはどこに隠したのか、ジウがサクにシバを託した理由、リュカそっくりなスンユはどこに消えたのか、ユマとリュカの行方や、テオンの病気を治した少女は誰かなどは謎のままです。
また全体を通し、ゲイが箱を開けてなにをしようとしているのか、幻影を使いながら成長するゲイが何者なのか、リュカはなぜゲイからユウナを守り呪詛をかけ続けるのか、白陵から鳥を集め、女神ジョウガの浄化の笛や鈴を持つユエ達が何者か、餓鬼が襲わないスンユは何者でリュカとどういう関係なのか、諸々謎のままです。
これらの謎を引き継いで、第3部朱雀編を書いていきたいと思いますので、お付き合い下されば嬉しいです。
2016.01.05 奏多 拝

