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吼える月
第34章 連携
 

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 女神ジョウガ、神獣達に問う。


「人が汝らの力を欲する時、汝らが力貸すのはいかなる者か」


 玄武は云う。

「弱き者にも恵みが届くよう、強き慈愛を向ける者であれば」


 青龍は云う。

「悲しみに満ちぬよう、すべてを包容しようとする者であれば」


 朱雀は云う。

「害する者を絶とうとする、敵の怒りに燃える者であれば」


 白虎は云う。

「悪しきものを変える、叡智を身につけた者であれば」


 女神ジョウガ、続けて四神獣に問う。


「ではその者、汝らの力を急ぎて使役する術はなにか」


 玄武は云う。

「我を称え崇め、その慈愛の心で献身すれば。即ちそれ、古よりの契約に基づいた口承なりて、我が伝えたる儀式或いは誓願を必要とす。我を使役する嘆願は、我が認めた者にしか許さぬ。我に代償を捧げれば、我必ずやその願いを聞き遂げよう」


 青龍は云う。

「我を称え崇め、その包容力で我の大切にするものを守ろうとすれば。即ちそれ、人を超越し我の器となる方法なりて、儀式も誓願も必要とせぬ。我を使役する嘆願は、我の力を最も持つ強き者しか認めぬ。我を制するほどの強さがあるのなら、我必ずやその願いを聞き遂げよう」


 朱雀は云う。

「我を称え崇め、その怒りで燃えていれば。即ちそれ、怒りを真のものと証明させる方法にて、民に口承される童歌の意味を解いた誓願を必要とす。我を使役する嘆願は、その者の怒りを推し量る我の鏡に強き復讐心が映らねばならぬ。我に命を捧げれば、我必ずやその願いを聞き遂げよう」

 
 白虎は云う。

「我を称え崇め、その叡智さが優れていることを証明すれば。即ちそれ、我の賢者に伝える方法なりて儀式は必要とはせぬ。我を使役する嘆願は、賢者を超えた叡智さに満ちた者しか認めぬ。我にその賢明さを見せれば、我必ずやその願いを聞き遂げよう」

 


 ~神獣縁起~


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