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吼える月
第34章 連携
「は?」
「涙目でぷるぷる震えながら、あたしが出した問題を考えるサクが可愛くて。回を重ねるにつれて簡単にしていったのに、サクってばさらに難易度上がったと思い込んで、それを解いた時のあの歓喜にうるうるした目、満面の笑み!」
――姫様、見て下さい! 俺、頭よくなりました!
「ハン曰く、四歳が解いた問題を、十歳のサクが必死になって、それであの笑顔……あははははは!」
『ぶへぇぇぇぇぇ!!』
笑い転げるラクダをひと睨みしながら、笑いすぎて出た涙を指で拭き取るユウナに面白くなさそうに言う。
「……なんだか姫様が、親父に見えるんですが」
「そりゃあそうよ。ハンはあたしの教育係だもの。ハンに問題作り、色々手伝って貰っていたし」
「……あんのクソ親父!」
笑い上戸の父の声を、どこか遠くでサクは聞いた気がした。
どこかで聞いていて笑っていて欲しい。
願わくば、母もその隣で――。
サクはきゅっと唇を噛みしめると表情を戻して、話を本題に戻した。
「つまり、簡単なものを難しく考えさせることこそが、ラックーの思うつぼだと?」
「うん。そう思うんだけれど……」
『この姫の言う通りかもしれぬ。難問を考えて白虎にわかられる方が、我は嫌だ。ならば時間をかけさせた方が……』
「白虎に見破られるの前提かよ!?」
『……白虎は、なんでも解くからの』
「だとしたら。童歌が意味するのは簡単な、そのままで"言葉遊び"になっていると思うの」
この結果が……。
『いだいなるよねよわがいむちでしあがあてかがみよりなあじむきからをかがみでとりよらいあしきちかりにさとられあことめわれよみらいめわがちでちりようにふうじかがみとしみめきよにかくてしあがあがやぶられしよべつにかけしわがきむむろいめよつどうさせしり』