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吼える月
第34章 連携
「"あ"がなにかの文字の代わりであり、この言葉が神獣への祈祷文であるのなら、"偉大なる朱雀よ、我が命で○○す"となるように思います。命を出すのが嘆願しかねぇなら、"偉大なる朱雀よ、我が命で嘆願す"が妥当か。まあ、黒陵に伝わる神獣に呼びかける祈祷の定型文にあてはめれば、ですけれど」
「待って! だったら"しあがあ"は、"たんがん"となるのかしら!」
「"いむち"が"いのち"であるのから、"む"は"の"。"しあがあ"が"たんがん"になるのなら、"し"と書かれてあるものは"た"、"あ"と書かれているものは"ん"となる。"なあじむきからめ"は……」
む → の
し → た
あ → ん
「なんじのきからめ? きからめの意味が通らないわ」
「まだ変換する必要があるのかも。次行きます」
"「かがみで」とりよらい「あしき」ちかりに「さとられ」あことめ"
「鏡でするのは、"とりはらう"か?」
「だとしたら、"かがみでとりはらい"かしら。一応書いておくわね」
よ → は
「あしきとは、"悪しき"だと思うわ。悪しきちかりに、悟られんことめ?」
「ここで候補になるのは、悪しき"ちから"か悪しき"ひかり"。それらに悟られないようにというのなら、悟られんこと"を"の気もしますが」
「これらの次に"我よ"と続いているわ。"よ"を"は"に変換したら"我は"。文の始まりだから、文的に言えば、その前は悟られん~で文が終わっていた方がしっくりくる。今は"め"は"を"として、もしも次に意味がなさなかったら、ここを考えましょう」
※め → を