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吼える月
第36章 幻惑
指を絡ませ合いながら、サクの唇がユウナの肌を這う。
熱いため息を漏らすユウナから服をはだけ、ユウナは喘ぎ身じろぎをするようにしてサクの頭を愛おしげに撫でた。
ああ、好き。
サクが好き。
サクの唇がユウナの肌を艶めかしく紅潮させ、ユウナの体を暴いていく。
剥き出しになった彼女の豊かな胸の頂きは、サクを待ち望んで既に尖って打ち震えており、サクが獣のようにかぶりつくと、ユウナはしなやかな体を反らしながら声を上げ、喜びに体を跳ねさせる。
「気持ち、いい?」
男の艶に満ちたサクの眼差しは欲情に濡れ、それに体を熱く濡らせながら、泣きそうな顔で頷き、半開きの唇から甘い吐息を漏れさせるユウナは、太股を撫でるサクの手を導くように、僅かに足を開く。
熱い手が足の間で位置を変え、濡れた花園に刺激を与えてきた。
「あ、あ、あ……っ」
サクの胸板に頬を擦りつけるようにして、サクに見つめられながら、昂ぶっていく心と体は、泣きたいほどのサクへの愛を自覚させる。
「サク、サク、好きっ、好き」
彼女の口から出るのは、愛おしい男への愛情。
……それはいつもの通り。
「ユウナ、可愛い。そのまま俺のことだけ好きでいて」
彼の愛に身も心も溺れてしまう。
サク以外になにもいらない。
答えの代わりに口づけで伝えるユウナは、彼女の蜜を掻き出す指とはまた違う手が、彼女の手を掴んで熱く濡れた堅いものを触らせた。
ぞくりとする。
「お前が欲しくて、もうこんなになった」
「……っ」
「お前の熱く蕩けた中で慰めて?」
そう、それもいつも通りの蜜事のはずなのに、なにかユウナの中で違和感を生じさせる。
「どうした?」
こんなに愛されているのに。
こんなに愛しているのに。
なにか、違う。