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吼える月
第17章 船上2
「すげぇ……可愛い、姫様……っ」
遣り切れないというように愛おしさを前面に表情に出しながら、サクは半開きになった己の唇の奥にある舌を、ユウナの舌と絡めている指の動きに同調させ……、
「ああ、たまらねぇ……姫様」
指を通して舌を絡め合っているような倒錯感に駆られ、喘ぐように声を震わせた。
「ふ……ぅん……っ、んん、んん……」
「姫様上手。そんなにうまいですか……?」
「ん……。おいし……」
互いに零れる息は熱く、荒く。
やがて呼吸を乱したサクは、ユウナから指を引き抜くと、涎まみれになったその指を、自らの舌で舐めとった。
「ああ、本当に甘い……。姫様の……味だ」
「……っ」
流し目のように妖艶な眼差しをユウナに落としつつ、サクはユウナの舌の動きと感触を思い出しながら、自分の指に淫らに舌を絡ませる。
煽られたようにもぞもぞと動くユウナを見て、サクは挑発的な笑いを見せた。
そして――。
「姫様、さぁ……姫様の番。舐めとって貰えます……?」
さらに自分の唾液が付いたものを、再びユウナの唇に差し込めば、ユウナが悩ましい顔をしながら、舌と唇で……念入りに舐めた。
「ん、んん……」
ユウナもまた、サクの舌の動きを思い出し、それと絡み合わせているような錯覚に囚われ、さっきよりも情熱的に舌を動かすのだった。
ユウナは気づいていない。
無意識に、再び足をサクの足に絡みつけ、もどかしく火照る部分を擦りつけようとしていることに。
それがなにを意味しているのか、ユウナ本人よりもサクはわかっていた。
サクもまた、じっとしていられないほどの熱い部分を抱えていたから。
「姫様……。お互い、さらに媚薬効果が出てしまったようです。今まで俺のために我慢してくれていた姫様に、これからご褒美を差し上げましょう――」