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吼える月
第17章 船上2
「ああ、姫様。もっと……もっと舐めて下さい」
とろりとした表情で、自分の指を舐めるユウナの姿は官能的で。
……許されぬ口づけを交わしている気分になる。
「ん……っ」
ユウナがサクの手を両手で持ち、ぺろぺろと指の根元まで舐める。
熱くざらついたその舌先が、指に這う感覚にサクの身体がざわつく。
やがてサクは、自らの意志で……その可愛い舌先に指を絡めながら、そのまま腕を動かして、ユウナの唇に含ませた。
サクがせがんでもいないのに、まるでそれが自然というかのように、ユウナがすっと……神域たる唇の奥にサクを迎え入れ、口を窄めて指を吸い上げてくる。
「……っ」
ユウナの柔らかな唇の感触がより感じられ、その気持ちよさに僅かに目を細めたサクは、吐息を漏らしながら……喘ぐように言った。
「姫様……舌、指に絡ませて……」
止めどなく溢れ出た欲情に、喉奥を熱くひりつかせながら――。
ゆっくりと、サクの指はさらにユウナの唇の奥に差しこまれる。
濡れて蠢く舌をサクは指先で撫で上げた。
「ん……ふ、ぅ……っ」
熱く潤うユウナの口腔内で、巻き付くように卑猥に絡むユウナの舌とサクの指。
くねくねと本能のまま動きあい絡みあいながら、互いを愛撫して戯れては、身体に流れる甘い痺れに芯を火照らせ、情欲の炎を燃やした。
「ん……んん……っ、おいし……」
紅潮した頬。
婀娜っぽい恍惚とした表情。
淫らに大胆に動き始める舌の愛撫を受けたサクの指。
そこが性感帯のように思えるのは、サクもまた……ユウナに扇情され、押し止めていた媚薬効果が、鬩ぎだしたからだった。
「姫様……あぁ、姫様……」
片手でユウナの頬を撫で、半ば馬乗りになるように姿勢にて、指を介した深い接吻が続けられた。
浅く深く……ユウナの唇に抜き差しされるサクの指は、繋がりたい心の現れのように。それを拒まずに答えようとするユウナに対する愛情は、勢いを増すばかりで……サクは泣きたいほどの想いに震えた。