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吼える月
第17章 船上2
それなのに――。
ちゅぱりちゅぱりと、太腿の愛撫だけが続けられる。
ざわざわとした、悪寒にも似た無数の痺れが足から秘部に流れ、疼くような火照りと共に、秘部からじゅくじゅくとなにかが溢れるような感覚が生じるのを、ユウナは恥じらった。
控え目に動く足の動きから、そんなユウナの状態を知るサクは、身悶えしつつどこか催促するような啼き声をし始めたユウナに、愛おしそうな視線を依然向けながら、ふるふるとさざ波のように震える内股だけを執拗に肉厚な舌でなぶった。
「サク……っ、そこばかりじゃなくっ」
「俺には、この部分を愛でることは、姫様は嫌そうには思えなかったんですが、ご不満で? だったらどこがいいんですか?」
意地悪げなその目に艶を含ませてわざと尋ねれば、ユウナは嫌嫌と頭を横に振りながら、泣きそうな顔でサクに手を伸ばした。
「サク……ぅっ」
察してくれと。
「ふふふ、姫様甘えっ子」
承知したといわんばかりに目を細めて笑うサクもまた、片手を伸ばし……、ユウナの伸ばされた手の指に絡め、
「じゃあ……続き、しますよ?」
くちゅりと太腿に吸い付いた。
「あ、んんっ」
それだけで感じてしまうユウナは、くっと喉もとを見せるように背を反り返らせながら、振り絞るような声で哀願した。
「だから、そこじゃない……っ」
「じゃあどこです?」
繋げたユウナの指を、まさぐるように指で愛撫しながら、尚もサクは甘い声を落とす唇から、わざと……ふぅっと熱い息を、下着の上から吹きかける。
「……っ!!」
「腰が揺れてますが……どこ?」
「サク……。ねぇお願い。お願いサク……。意地悪しないで。ねぇ、サク……お願いだから、わからないフリをしないで」
目尻から涙を零し、繋げた手ににぎにぎと力をこめてくるユウナを見て、サクは苦笑した。
「サク……お願い。おかしくなりそうなの、じんじんして……変なの。だから……サクの"洗浄"を……。前に浴室でしてくれた、あの洗浄をっ」
サクはユウナの目尻に唇を落として、熱の孕んだ甘い声で言った。