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吼える月
第21章 信愛
サクに触られたいが、サクが駄目だというのなら、ここで耐えるか……もしくは自分で触るしかなく。
サクがいるなら出来ないと思うのに、もじもじとして動かす部分は、その場所を求めて限定的になっていき、サクに気づかれないようにやるせない息を吐いた。
サク。
サク。
サク。
サクに触られたい。
サクに、サクに――。
頭の中がサクで一杯になってしまったユウナは、目を瞑っていて気づかなかった。
消化不良で終わったことに不服であった部分に、密やかに自らの指が這い、それに対して悩ましい吐息をついてしまったことを。
そしてそれを見ていたサクが、ごくりと生唾を飲み込んで、やるせないというような喘ぎのようなため息をひとつ零したことに。
吐き出されるふたりの熱情は――
一気に距離を縮めた。
「ねぇ、姫様……」
熱の滲んだ声と同時に、手首を掴まれたユウナは、夢から覚めたようなとろりとした顔で目を薄くあけた。
そこには、足元に中腰となり妖艶な顔で覗き込んでいるサクがいて。
「この指、どこを触っているんですか?」
秘部に伸びていたその指を、サクに上から押さえつけられているのに気づき、そこでユウナはやっと夢見心地のふわふわとした意識から我に返る。
「え、あた、し……」
なにを、していたの……。
「ねぇ、姫様……」
サクの片腕がユウナの横につき、さらにサクの身体が前に乗り出してきた。間近にあるサクから、蒸気のような熱を感じて、くらくらした。
「触られたいんですか、ここ……」
手首を掴まれたまま動かされ、
「ゃ、ぁ……っ、違……っ」
自分の指が秘部を何度も突く。
欲しいのはもっと奥の深層だと、訴えるユウナの身体は悩ましく揺れる。
「ねぇ、姫様……」
サクがさらにぐいと前に乗り出して、耳もとで熱く囁く。
「この指……、なにを思って動いていたんですか?」