この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
吼える月
第21章 信愛
「……っ」
初めて名前を呼び捨てにされ、男らしい口調で愛を告げられたユウナが、びくりと身体を震わせ、身体を伸ばすようにして身じろぎをする。
「今は俺を見るな。俺の……独り言だから」
ユウナがこちらを向いて自分の顔を見ようとしているのがわかり、サクはそれをさせまいと、体勢を固定するようにさらに強く上から抱きついた。
「本当はリュカに渡したくなかった。本当はリュカと結婚させたくなかった。毎日が辛くて辛くて……だから今」
熱い息をユウナの首筋に吹きかけ、
「俺の腕の中にお前がいることが、幸せなんだ」
そこに熱い唇を押し当てる。
「お前だけの武神将となれて、こうしてお前を抱きしめられて。俺に感じるお前がいるのが、俺を求めてくれるお前の女の顔を見るのが……。
――嬉しくてたまらねぇ。不謹慎だとは思うけれど」
何度も何度も。まるで愛の刻印のように――。
「あまりにお前を求めて、この…熱く焦げついちまってる胸の内をお前に見せられたらと思う。
……なぁ、ユウナ。俺、お前が思っている以上に、お前が愛おしくてたまらねぇんだよ。お前を……誰にも渡したくねぇんだよ。お前のすべてを俺のものにしてぇ……」
サクのねっとりとした舌が、ゆっくりとユウナの耳殻を愛撫する。
「今は……お前が求めるのは俺の身体だけでもいい。だがそれだけでは終わらせたくねぇ。なぁ、他の男に…こんなことさせるなよ。そんな可愛い顔で喘ぐなよ、あんなに蜜を溢れさせるな。……俺だけだぞ? ユウナ、俺だけだぞ!?」
命令口調の哀願と耳から与えられる刺激に、心身共に震えるユウナをまた強く抱きしめ直しながら、サクは衣擦れの音を響かせて、下衣を脱いでいく――。