この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第23章 分離
 


 イルヒの"好きな人"――。

 シバか兄貴だろうと予想はついていても、ユウナもまた、相手がどんな年下であろうとも、そうした恋愛話をしてきたことがなかったために興味を持ち、イルヒに従うことにした。

 ふたりしかいないというのに、ふたりは片隅に身を屈めて隣り合って座り、こそこそと小声で話し込む。


「あたいが好きなのはね、テオンなんだ」


 そしてイルヒは顔を両手で覆った。


「まあ、テオンなの!?」


 それは意外でもあり納得でもあり。


「だけどあたいの片想い。テオンは優しくて面倒見いいけれど、時折遠い目をしていて。あたいと話していても、あたいの奥のなにかを見ているようで。……ねぇ、お嬢はどうやって猿を好きにさせたの!?」

「うっ……」


 それは本人に聞いて貰いたい。


「やっぱり身体……がいいのかな。だけどあたい、胸はぺっちゃんこだし……。それでもテオンは喜んでくれるかな!?」

「う、うーん…。どうだろう…。まだ早いと思うけれど……」

「お嬢はいつから猿と?」

「う……。イルヒの年ではないのは確かね」


 睦言を聞かれているだけに、言い逃れできず苦しい言葉しか出せない。


「もうちょっと大人に、やっぱり胸が膨らまないと駄目かぁ。猿はお嬢の胸が大きいと喜んでる? 男ってそういうもん?」

 きつい。

 答えるのが辛い……。


「あ、あたしは女だから、ん……どうだろうね…」


 汗をだくだく流してぎこちなく笑うユウナに気づかず、イルヒの攻撃は止らない。
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ