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甘く、深く、繋がって
第9章 乱された身体
啄むように優しく続く口付け。角度を変えて深まって、滑り込んできた舌に口の中をなぞられる。歯列を割って私の舌と絡み合う。
「ん……ふぅ、ぁ……」
ゾクゾクする。甘い口付け。
溶かされそう……
その心地良さに身を任せようとして、不意に斎藤さんが動きを止めた。
身体を起こされ、唇が離れる。
ぇ……何で?
突然避けられた感覚に心が引きつれる。
縋る思いで目蓋を開くと、じっと私を見つめる斎藤さんと目が合った。その瞳に緋色は、ない。
「嫌、だった?」
「……ぇ?」
「泣いてる」
頬を包んでいた右手が離れ、人差し指に目じりをツイと拭われた。
その手は顔の横に置かれ、私には触れない。
……嫌?
キスは嫌じゃない。
……セックスは、嫌だけど。
でも涙の理由は、それじゃない……
泣いてる理由を口にして、その通りだと肯定されたら……?
そう思うと怖くなった。
黙り込んだ私に斎藤さんがフッと笑う。何処か歪んだ笑顔。
「そう、だよね……」
閉ざされた瞳にギュッと胸が締め付けられる。
「やっ嫌じゃありません」
気が付いたら声が出ていた。
「ん……ふぅ、ぁ……」
ゾクゾクする。甘い口付け。
溶かされそう……
その心地良さに身を任せようとして、不意に斎藤さんが動きを止めた。
身体を起こされ、唇が離れる。
ぇ……何で?
突然避けられた感覚に心が引きつれる。
縋る思いで目蓋を開くと、じっと私を見つめる斎藤さんと目が合った。その瞳に緋色は、ない。
「嫌、だった?」
「……ぇ?」
「泣いてる」
頬を包んでいた右手が離れ、人差し指に目じりをツイと拭われた。
その手は顔の横に置かれ、私には触れない。
……嫌?
キスは嫌じゃない。
……セックスは、嫌だけど。
でも涙の理由は、それじゃない……
泣いてる理由を口にして、その通りだと肯定されたら……?
そう思うと怖くなった。
黙り込んだ私に斎藤さんがフッと笑う。何処か歪んだ笑顔。
「そう、だよね……」
閉ざされた瞳にギュッと胸が締め付けられる。
「やっ嫌じゃありません」
気が付いたら声が出ていた。