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甘く、深く、繋がって
第10章 戻れない日常
一緒の時は厳しい人だった。お陰で全くの素人だったのに、簡単な移設作業程度なら一人で行ける位の技術は身に付いた。去り際のどこか不機嫌そうないつもの顔を思い出し、心が温かくなった。
課長を初め、みんなに気に掛けてもらってる。嘘を吐いて休んだ事がすごく申し訳ない。恥ずかしい。
叔父さんの紹介で勤める事になって男性ばかりで正直不安だったけど、みんな優しい……
仕事、頑張ろう。
久しぶりに食べたコンビニおでんは優しい味がした。
デスクに戻る前に携帯を確認する。画面のアイコンはメールの着信を示してる。
一つは斎藤さん。
『大丈夫?
駅まで迎えに行くから、終わったら連絡ちょうだい』
……大丈夫じゃありません。
トクンと心臓が波を打つ。
重怠い腰に呼び起こされるのは今朝の睦事、反応する身体……全然仕事に集中できない。
斎藤さんのせい、ですよ?
もう一つ、は……黒田さん。
『仕事お疲れ。
週末、休めた?
無理するなよ』
当たり前なんだけど、普通のメール。ホッとした。
斎藤さんに返信を打つ。
今日は六時前には終わる事を告げるだけのメール。絵文字も顔文字も何も、ない。……いつもの事だけど。
課長を初め、みんなに気に掛けてもらってる。嘘を吐いて休んだ事がすごく申し訳ない。恥ずかしい。
叔父さんの紹介で勤める事になって男性ばかりで正直不安だったけど、みんな優しい……
仕事、頑張ろう。
久しぶりに食べたコンビニおでんは優しい味がした。
デスクに戻る前に携帯を確認する。画面のアイコンはメールの着信を示してる。
一つは斎藤さん。
『大丈夫?
駅まで迎えに行くから、終わったら連絡ちょうだい』
……大丈夫じゃありません。
トクンと心臓が波を打つ。
重怠い腰に呼び起こされるのは今朝の睦事、反応する身体……全然仕事に集中できない。
斎藤さんのせい、ですよ?
もう一つ、は……黒田さん。
『仕事お疲れ。
週末、休めた?
無理するなよ』
当たり前なんだけど、普通のメール。ホッとした。
斎藤さんに返信を打つ。
今日は六時前には終わる事を告げるだけのメール。絵文字も顔文字も何も、ない。……いつもの事だけど。