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甘く、深く、繋がって
第10章 戻れない日常
今さらだけど、キッチン綺麗に使ってて良かったとか関係ない事を考えてみる。
もともと物は多くないし、部屋もアウトじゃないよね?
キョロキョロと確認してラグの隅に見つけた髪の毛。
何となく気付かれたくなくて、立って取りに行くのを躊躇する。ローテーブルの脇に手を付いて、横座りのまま身体を捻るように身を乗り出した。届きそうで、届かない。諦めて立とうと身体を戻しかけて
「何してるの?」
後ろから聞こえた斎藤さんの声。
「ひゃあっ!」
驚きのあまり身体を支えてた手が滑り、俯せに潰れてしまった。
「大丈夫?」
「だっ大丈やっ!」
身体を起こそうとして、斎藤さんにお尻を撫でられた。
「誘ってるの?」
「ちっちがっ、髪の、ぁっんっ!」
足の付け根へと滑る指に身体が震える。逃げたいのにローテーブルに足を取られて動けない。スカート越しに弱い場所を的確に捕らえられ
「ひぁあん」
甘えた声が上がった。
「せっかくのお誘いだけど、ご飯出来ちゃった」
そう言いつつもやわやわと撫でる指は止まらない。

誘ってない、のに……

思うように身動きの取れない状況と今朝までとは違う角度から触られて、身体が過剰に反応する。
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